”中国の勇気”が勝ち取った高速鉄道プロジェクト@インドネシアこんにちは、シンガポール在住、Yoshiです。

日本では台風が過ぎ去るごとに、少しづつ気温が下がり、
秋の気配が感じられるようになったことでしょう。

私が住むシンガポールでは、台風は来ませんが、
隣国インドネシアからの「煙害(ヘイズ)」に悩まされています。

煙が国全体を包み込み、高層ビルが霞んでいます….

haze

 

さて今回は、インドネシア・ジャカルタ-バンドゥン間の高速鉄道プロジェクトの続報です。

すでに日本のメディアでも報道されていますが、

最終的に「中国の勝ち」となりました…

とても残念です。

ここ1か月の間にプロジェクト自体が白紙撤回されたり、
その後「中速鉄道」として復活するなど、
インドネシア政府側も混乱している様子
が見てとれましたが、

決定打の一つは、「融資条件」といえそうです。

これは、「高い技術力・品質」を売り文句にしている、
インフラ輸出戦略を打ち出している日本にとって
厳しい敗北です。

今後様々な角度から検証が行われるでしょうが、
現地の新聞はどのように報道しているか、見てみましょう。

【Jakarta Post 9/30付】

見出し「インドネシアは、高速鉄道プロジェクトから、正式に日本を排除した」

  • インドネシア国土開発省は、日本の国有企業・民間企業は、
    ジャカルタ-バンドゥン間に計画されているインドネシアで
    初めての高速鉄道プロジェクトには参加しない、ということを確認した。
  • 一方で、他のインフラプロジェクトでは、
    これまで同様日本との連携を続ける意向を示した
  • 中国案は、あくまでも中国とインドネシアの
    ビジネス協力であり、ルール上日系企業は参加できない
  • 日本のビジネスモデル・ルールではインドネシア政府が
    日系企業に 債務保障を与えることができない
  • 日本案では62億USドルがプロジェクトには
    必要と見積もっているが、中国案では55億ドルであった
  • インドネシア政府は、国の予算を使わず、国の保障もない、
    あくまでもビジネスベースで実施すること月曜日に表明
  • 同省大臣は、「国の予算は優先的な国家開発に基づき、
    戦略的インフラ整備にのみ使う」と述べた
  • 今回の件とは関係なく、インドネシアと日本は
    チラマヤ新港などで、まだ連携をしていくつもり

【Jakarta Glove(Reuter) 9/30付】

見出し「インドネシア政府は高速鉄道プロジェクトの“中国の勇気”に報いた」

  • インドネシア政府は、高速鉄道プロジェクトに中国案を採用したが、
    その理由は中国側が50億ドルをインドネシア政府保証なしの融資を約束したからだ
  • アナリストは、「どちらが勝つにせよ、ASEAN地域での高速鉄道
    プロジェクト(例えばクアラルンプール-シンガポール間)の先頭に立てる」と分析
  • ジョコビ大統領内閣は、政府予算の負担軽減とより多くの技術移転が望める、
    として中国案採用に踏み切った
  • 日本やドイツは、融資の際、政府保証を求めるが、
    中国は求めないので限られた予算のインドネシアは歓迎する
    、とインドネシア国有企業の責任者の弁。
  • 習金平が掲げる「One Belt One Road」方針では、
    港、鉄道、高速道路を建設し、当地域内での貿易、投資を促進し、
    影響力を強めるというもの
  • 日本にとっては手痛い敗北で、
    日本側は「われわれの提案はより良いもので実現可能なものだ。
    インドネシア政府に対して、透明性公平性を期待していた。
    今後は、透明性、公平性が進むことを望む」とコメント
  • インドネシアの開発大臣が近く日本を訪問し、
    まだたくさんのインフラプロジェクトがインドネシアにはあり、
    日本政府にとっても機会はたくさんある」と説明する予定

上記の報道内容を見る限り、
融資条件の緩和」策など、「技術・品質」以外に
有利な融資条件を組み込まない限り、
日本政府が掲げる海外インフラ戦略は、
絵に描いた餅に終わってしまう危険があると感じます。

 

以上、今回もインドネシア高速鉄道でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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以上、