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井戸が出来上がるまで

はじめまして。
井戸おやじの次男、ケイタです。

北海道担当として、
主に道内各地で井戸の掘さく・改修工事及びメンテナンス等を行っている
駆け出し技術者です!
みなさん、宜しくお願いします。


今年の北海道は雪解けが早く、
まだ3月ですが雪はほとんど残っていません。
現場作業がある者としては大変ありがたいのですが、
雪が解けきるまでは足元がベチャベチャするので、
新品のスニーカーは絶対履けません。


さて、今回のテーマは井戸おやじの次男として、
目下勉強中である「井戸が出来上がるまで」の工事手順を
みなさんにご紹介させていただきます。


まず手順を説明する前に、
どんなお客様が当社に「井戸水を利用したい」と
依頼を出されるかというと、

・工場用水を確保したいメーカーさん
・災害時にも水を確保したいと考える自治体
・水を多く使うため、水道料金を節約したい方

などが挙げられます。


当社はその依頼を受け、
掘さく地点周辺の地層データを調べ、
井戸水を利用する目的に応じて、
仕様(口径や深度、工法)を選定します。


井戸掘さくの工法は
・ロータリー式
・パーカッション式
・ダウンザホールハンマ式
と主に3種類ですが、
今回は今北海道で主に利用されている
ロータリー式についてお話していきます。


ロータリー式とは、、、
掘り管の先端に取り付けるカッターのような部分を
「トリコンビット」と言いますが、
これを回転させながら地層をすり潰すように
削りながら掘削する工法です。

特徴としては大深度と呼ばれる地表から40メートル以深の
深い部分までの掘削が可能で、幅広い地層に適しています。
温泉を掘る際にも使用される工法です。


      トリコンビット


それでは工事手順についてお話しします。


1.仮設準備
トラックで機材を搬入します。
搬入後に井戸芯に合わせて掘さく機を設置し、
櫓(やぐら)を組立てます。


              櫓(やぐら)と蝦夷富士


2.掘さく作業
設計深度以上まで掘さくを行います。
孔内に泥水を循環させ泥壁を作り、
地中内で孔が崩壊することを防ぎます。


3.孔内電気検層
掘さく完了後、孔内に電流を流し、地層の比抵抗を調べます。
一般的には比抵抗値が大きければ、
水を豊富に含んだ帯水層であると判断できます。
ここで得られたデータをもとにケーシングプログラムを作成し、
井戸のスクリーン(有孔管)位置を決定します。

         ケーシングプログラム

4.ケーシング挿入
作成したケーシングプログラムに従い
ケーシング管を挿入していきます。
通常は5.5mの鋼管を1本ずつ順番に挿入し、
溶接にて接続していきます。


       ケーシング

5.砂利充填
設計深度までケーシング管の挿入が完了したら、
井戸内に砂が入らないように、
ケーシング管のまわりに砂利を充填します。
(掘さく径は井戸の仕上口径よりも大きくなるので、
孔壁と井戸との間の隙間を埋めていくイメージです。)

6.井内洗浄作業
掘さく中に使用した泥水を汲み上げ、
井内をきれいにし、
設置したスクリーン(集水管)から地下水の誘導を図ります。

       スクリーン(集水管)

7.揚水試験
井内の洗浄が完了したら、仮設の水中ポンプを設置し、
実際に揚水を行って揚水量や水位を調査します。
この試験で得られたデータを基に、
目標の水量での使用が可能かの判断をします。


8.水質検査
揚水試験中に井戸水を採水後、
検査機関に提出し、水質の検査を行います。


9.機材撤去
工事で使用した機材の搬出を行い、
掘さく工事終了です!


10.揚水設備設置
揚水試験から得られたデータを基に、
設置する水中ポンプを選定し設置します。


以上が井戸の出来上がるまでの流れです。
皆様、ご理解頂けましたでしょうか。


天候や地層の状況によって
計画通り工程が進まないこともありますが、
お客様の要望に沿った期日で完成させるためには、
余裕を持って「段取り」をしておくことが大事だ
ということを痛感する毎日です。


完成した井戸から汲み上げられる水を見て、
笑顔になるお客様の顔を見ると、
大変だった作業のことも忘れて、
やってよかった!次もがんばろう!と
この仕事のやりがいを感じる瞬間です。


まだまだ駆け出しですが、
一日でも早くおやじを超えることができるよう精進します!
みなさん、次男ケイタの応援よろしくお願いします。

もし井戸の設置をご検討の際は、ぜひ(こちらをクリック)にご相談ください!

2023年6月

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