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ミャンマーの選挙結果とプロジェクトの行方

こんにちは、シンガポール在住、Yoshiです。

8月頃から深刻化していた、シンガポールの
ヘイズ「煙害」がようやく峠を越えたようです。
依然として、火元のインドネシアでは完全鎮火には
至っていませんが、モンスーンシーズンが近づき、
風向きが変わりつつあり、煙害の程度を示す指数、
PSI(Pollutant Standard Index)は
確実に低下傾向にあります。

ちなみに、シンガポールのPSIは、
PM2.5やPM10のほか二酸化硫黄、窒素酸化物など
の化学物質濃度を総合的に勘案して決まる指標です。

ところで、風向きと言えば、
ミャンマーでは大きく風向きが変わろうとしています。

ミャンマーの歴史的選挙結果が明らかになって、
ASEAN地域のみならず、BBC・CNNのTVや
新聞各紙が一面トップで取り上げています。

隣国タイの論調も同様で、
「公平で平和的に選挙が行われ、初めて投票の自由が保障され、
恐怖から解放された」
(バンコクポスト11/11付)と述べています。
一方で、軍の支配が依然強いため、
状況を慎重に見守るべき、と楽観的観測を戒めています。

ところで、

スーチー氏の自宅軟禁以降(1995年)欧米諸国が
支援を打ち切る中、日本政府は細々と支援を続けて
きた実績があり、強い友好関係を築いてきました。

日本からミャンマーへの支援には、3つの重点項目があります。

1) 生活向上(貧困層支援、農業開発、地域開発)
2) 人材能力向上・制度支援
3) インフラ整備

日系企業が進出するためには、2)3)の向上が欠かせません。
特に3)は前提条件と言えますし、最近力を注いできた分野です。

今年度、新たに決めた支援額だけでも、1000億円(有償、無償合わせて)に上ります。
主なものは、鉄道、道路のほかヤンゴン市に隣接する経済特区ティラワ地区の整備です。

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このティラワ地区には、日系企業の進出が多く見込まれる、
いわば日本肝いりで開発をしている地区です。
2年前に、現地を訪れましたが、ほとんどが手つかずの野原。
かろうじて、単線の貨物鉄道がありましたが、
だからこそ、大きな発展の可能性を感じましたことを思い出します。

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さて、今回の選挙結果を受けて、現在進行中
あるいは将来予定されているプロジェクトに
どんな影響が出るのか、注目されます。

インドネシアでは、現ジョコビ大統領が就任し、
汚職撤廃を掲げていた当初、日系企業の多くは
歓迎していたと思われますが、

蓋を開けてみると、前政権下で計画・進んでいた
プロジェクトの総見直しがなされ、
プロジェクトの中止、延期が相次ぎました。

ミャンマーでも同様に、軍事政権下で計画された
さまざまなプロジェクトが、今後見直されていく
ことは、十分に考えられます。

地元紙「ミャンマータイムス」は述べています。

「今回の勝利は序章に過ぎない。現憲法下では
大統領になれないスーチー氏には、有望な
後継者がいないし、これからタフな交渉が
軍事政権与党と本格的に始まり、それこそが
ミャンマー国民の将来に大きな影響を与える
重要なプロセス」だと。

しばらくぶりに、ヤンゴンを訪れてみたくなっています。

以上、今回はミャンマーの話題でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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