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近隣工場との連携による省エネ対策

こんにちは!

"メタボ委員長"こと
アサノ大成基礎エンジニアリング
本多純秀(ホンダヨシヒデ)です!

皆さん、お盆休みはどう過ごされましたか?
帰省された方、行楽地へ行った方、
様々だと思います。

私は妻が仕事だったため、どこにも行かず娘の子守と
趣味のプラモデル制作に勤しんでおりました!
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[塗装前]

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[塗装後]

全体的に暗い色にして、重厚感を出したかったのですが、
途中写真のほうがショボく見えるのは多分気のせいです!

まだ塗装初期段階ですからね!
これから色々と処理を施すんです!

こんな感じで、この休暇中はどこにも行かなかったのですが、
普段の休日はしょっちゅう車で出かけます。

東京湾アクアラインを通って木更津なんかにも
行ったりするのですが、その途中、羽田空港脇
には工業団地が広がっています。

工場立地には原材料の調達および製品搬出
の利便性が求められます。
ですから、羽田空港周辺のように交通網の整った地域には、
工業団地が整備され、様々な工場が進出するんですね。

昼間はなんでもない風景ですが、夜にここを通過すると、
左右に広がる石油コンビナートの灯りが非常に幻想的で、
まるで蛍の大群の中を通っているような感覚になります。

非常におすすめなので、皆さん一度行ってみてください!

ちなみに、工業団地には、高速道路等、内陸交通の利用を
想定した内陸型工業団地、海運を想定した臨海型工業団地、
空輸を想定した臨空型工業団地がありますが、

羽田空港周辺はその全ての条件を満たしており、
工場の立地にはもってこいの地域なんですね。

このような様々な工場が立ち並ぶ工業団地で、
会社間の垣根を越えた全体的な省エネ対策
考えられないでしょうか?

ということで、今回は、工場地域(コンビナート、工業団地等)での
近隣工場との連携による省エネ対策について、書いてみます。

各工場では、それぞれエネルギー効率改善を実施してきており、
もはや、単一工場での省エネルギー改善の余地はない
と言われる程になってきています。

一方、工場関係者にお話を伺ってみると、
近隣工場と連携した省エネ対策については、
あまり、考えたことがないとのお返事を
いただくことが多いです。

近隣工場と連携した省エネ対策には、
どんなものが考えられるでしょうか?

と思って調べてみたら、
平成18年度優秀省エネルギー機器表彰
の中に、資源エネルギー庁長官賞を受賞した
「複数工場間の低位エクセルギー利用システム」
というのがありました。

複数工場間の低位エクセルギー利用システム

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[複数工場間の低位エクセルギー利用システムの全体概要]

内容を要約すると、以下のとおりでしょうか?

①富士石油のプロセスで廃棄されていた150℃以下の低位熱を回収し、
隣接する住友化学へ供給する。住友化学は、ボイラー給水の加熱に
利用し、ボイラー燃料の削減を図る。

②富士石油と住友化学の両工場を統合したエネルギー監視システム
を構築し、地域最適運転を行う。

③富士石油の蒸留塔の塔頂ガス(115℃程度)を利用し、
低位熱発電システムを構築。

①~③による省エネ量は、年間原油換算量で10,700KL。
また、合計の年間Co2排出削減量は、28,000トンとなります。

いかがでしょう?

①は、まさに単一工場では捨てるしかなかった熱を
近隣の工場で利用することにより、省エネ・コスト削減を
図った例だと思います!

そういう観点でみると、いろんなことが考えられませんか?
少し、考えられる事例を挙げてみましょう。

■排水の利活用
A工場では、大量の地下水を冷却水として利用。
熱回収は行っているが、それ以外の利用方法がないため、
クーリングタワーで40℃以下まで冷却し、河川放流している。
冷却のみに使用しているため、水質は安定しているとする。

⇒近隣の工場等でこの排水を洗浄水として使えないか?
⇒メロン栽培などのビニールハウス等の熱源として使えないか?

■余剰地下水の活用
B工場では、地下水規制の前から地下水を使っており、
地下水利用の既得権を確保している。
工場の縮小、水の効率的利用の促進により、
地下水の余剰がある。

⇒地下水規制のため、工業用水や上水を使っている
近隣工場へ安価な地下水を販売できないか?
地中熱ヒートポンプの熱源として、近隣工場へ提供できないか?

■用地・地下水の借用・特定目的会社(SPC)の設立
C工場では、自家発電設備をガスコージェネレーションに
切替えたいと考えている。
しかし、工場用地に余剰がなく、地下水も規制範囲ぎりぎりまで
使っているので、水の確保ができない

⇒隣接する工場の敷地に余裕はないか?
⇒近隣の工場で、地下水が余っている工場はないか?
⇒近隣工場と共同出資して、共同発電事業会社(SPC)
を設立できないか?

いかがでしょう?
自社工場だけは省エネ・コスト削減が限界のように思えても、
近隣工場と連携することにより、大きな省エネ・コスト削減の
可能性が見えてきませんか?

今は、国内だけでなく、世界中の企業と競争
していく必要がある世の中です。
自社単独では難しいことでも、他社と連携し、コスト競争力を
確保していく、そんな姿勢が必要だと考えます。

というわけで、近隣工場との連携による省エネ対策について、
書いてみましたがいかがでしたか?

それでは、次回もお楽しみに!
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