タイトル

工場の移転・建替と省エネ対策

こんにちは!

"メタボ委員長"ことアサノ大成基礎エンジニアリング
本多純秀(ホンダヨシヒデ)です!

私の出身は大分県ですが、これまで何度か転居した経験があります。
具体的には
大分県→福岡県→愛媛県→東京都→愛媛県→東京都
といった具合です。

自己紹介でも書きましたが、インドネシアに数か月間
滞在したこともあります。

やはりその地域ごとに文化が異なるので、
それに触れるのは個人的にはとてもいい経験だと感じています。
触れるのは主に食文化ですが(笑)

ちなみに、関東のうどんやおでんの真っ黒いつゆには
いまだに慣れません(好きな方ゴメンナサイ!)

転居の理由は進学、就職、転勤等ですが、
どれも私の人生の節目に当たるのは
言うまでもありません。

企業にとっても本社や工場の移転は
今後の事業を左右する大きな節目に当たります。

ということで、今回は、工場の移転・建替と省エネ対策
について書いてみます。

東日本大震災原発事故後の電力不足などを踏まえ、
多くの企業が、想定外のリスク回避のため、
工場等の生産機能の移転、集約あるいは分散といった
動きを加速させています。

(株)東京商工リサーチの全国工場数の実態調査によると、
様々な業種で大都市を脱出し、近隣県へと移転する
動きが増えているようです。

特に、東京、神奈川、愛知、京都、大阪の大都市を抱える5都府県は、
工場の進出数が受け入れ数を上回っており、
工場が減少しているようです。

(株)東京商工リサーチの全国工場数の実態調査結果はこちら

少し、具体的な移転の事例を調べてみました。

■日野自動車(日野市にある本社工場を移転)
2011年1月20日、同社本社に隣接する生産拠点「日野・本社工場」を
2020年をめどに閉鎖し、工場機能を茨城県古河市に移転すると発表。
2013年7月29日の報道では、更に4年前倒しし、
2016年移転するとのこと。

移転の理由は、周辺地域が住宅地域として開発されたため
工場の拡張や夜間操業の面で問題があるためとしている。
移転場所は、圏央道等の開通を見越して、
工場間の物流を考慮し、選定。
da9c8fe340571bb3c3001d536a63234d.jpg
※「日野自動車の成長に向けての取り組み(2011.1.20)」日野自動車(株)より

■雪印メグミルク(6工場を閉鎖し、2工場に集約)
平成21年に雪印乳業と日本ミルクコミュニティの経営統合を発表以降、
6つの工場を閉鎖することを決定。

・乳製品工場は3つ閉鎖し、茨城県の阿見町に1つ工場を新設。
・市乳の日野工場と冨里工場を閉鎖し、海老名工場に集約。
・埼玉県の児玉工場を閉鎖。

集約の理由は、将来に向けた生産体制整備であり、
自社だけでは非効率なところは、他社と連携して
進めていくとのこと。

※「明日の食品産業 新春座談会(H23.1.2)」より

■松原工業(BCP強化策として、自社工場を移転)
旧社屋は築40年以上経過し、最新の耐震強度を満たしていないが、
都市計画法により現在の敷地に工場を建て替えることができない。

BCP(business continuity plan/事業継続計画)の強化策として、
東日本大震災と同レベルの震度6強に耐えうる耐震性能を満たす
とともに、生産ライン環境の向上を目的として、東京都狛江市から
神奈川県川崎市に自社工場を新築移転。

※松原工業株式会社HP公開情報より

■東京都内の某老舗豆腐店(良質な地下水を求め移転)
製造には良質な地下水が必要だが、都内では地下水規制が厳しく
新たな井戸を掘削することができない。

更に、都内では、地下水汚染の影響も心配なため、良質な地下水を
今後も継続的に確保するため、茨城県某所への工場移転を決断。

以上、4つの事例について、ご紹介しました。
日野自動車が日野市から移転するというのは、
かなりインパクトが大きいですね。

老舗の豆腐屋さんが、工場を移転するというのも、かなり、
思い切った決断だったのだろうなと思います。

各企業によって、工場を移転した理由は様々ですが、
課題を整理すると、次のとおりになると思います。

①工場周辺に住宅地が開発され、自由な工場経営ができない
②非効率になっている工場を集約し、合理化したい
③規制等により、建替えや地下水の活用ができない
④想定されている首都圏直下地震に備えたい

このような課題は、多くの工場に共通するものだと思います。
紹介した4つの事例では、いずれも「移転」という選択をされたわけですが、
もちろん、現工場の「リニューアル」という解決方法もあります。

「移転」するか、「リニューアル」するか、それを選択するためには、
従業員の雇用問題、プラント等設備の問題、物流の問題など
さまざまな問題があります。

一方で、建物、土地、インフラの視点から見ると、
「健全な設備投資」のためには、次のような
検討事項があると思います。

■移転の場合

○移転先の評価として、
・地震発生時のリスク(液状化など)
地盤調査(支持層確認・地盤沈下・斜面安定など)
・地下水の規制、揚水可能量
・防災設備(防災井戸など)の設置可能性
再生可能エネルギー(地中熱など)の利用可能性

○現有建物・土地の売却として、
・資産価値評価
・環境リスク評価
耐震診断
解体土壌汚染、アスベスト等対策費用の算定
・跡地の利活用

■リニューアルの場合

長寿命化によるコスト削減事業継続の確認として
・耐震診断、補強対策
・劣化診断・調査・対策
・井戸のメンテナンス、再生
・省エネ、再生可能エネルギー、排熱利活用

これらの検討の中に、現状維持を前提とした省エネ対策や
コスト削減活動では得られない大きな省エネ、コスト削減効果
があると思いますが、

検討の範囲が広範囲であり、法的、技術的に
専門的な知識が必要です。

よって、工場の競争力強化のため、検討段階から、
専門家のアドバイスを求め、意思決定していく
必要があると思います。

というわけで、工場の移転・建替と省エネ対策について、
書いてみましたがいかがでしたか?

それでは、次回もお楽しみに!
02_ganbaru1-150x150.jpg

2025年8月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近の記事

カテゴリ

アーカイブ

Copyright© 省エネ対策委員会 All rights reserved.