こんにちは!
"メタボ委員長"こと
アサノ大成基礎エンジニアリングの
本多純秀(ホンダヨシヒデ)です!
皆さん夏休みのご予定はもうお決まりですか?
私は決まってません(笑)
やはりシーズン的にどこも人でごった返しているのを
考えると、「家でゆっくりするのが一番いいかな~」
なんて思ってしまいます。
大学時代に所属していたサークルでは、毎年
高知の四万十川にキャンプに行っていました。
「最後の清流」と言われるだけあって、
本当にびっくりするくらいきれいだったのを
覚えています。
沈下橋から飛び降りるのはとても気持ち良かったし、
鮎がたくさんいるので、銛で突いて、
塩焼きにして食べるのも最高でしたね。
ただ一度、溺れかけたことがあります(笑)
川に潜って、鮎を追いかけていたんですが、
息継ぎしようと顔を上げたところ、
川のど真ん中でした・・・
泳ぎは苦手ではないほうなのですが、
見た目以上に流れが速く、
泳いでも泳いでも流されてしまいました。
「これはヤバい!」と思い、全力で泳いだのですが、
日頃の運動不足が祟り、足がつってしまいました!
岸で見ていた先輩が異常を察知し、浮き輪を持って
助けに来てくれたので事なきを得たのですが、
本当に危なかったです・・・
皆さんもこれからのシーズンは、
水難事故に気をつけましょう!(←お前が言うな!!!)
ただ、流されたからこそ言えるのですが(笑)、
「水が流れるエネルギー(=位置エネルギー)」は
非常に大きなエネルギーなんだと感じました。
もちろん皆さんご存知のように、このエネルギーを利用した
水力発電は、日本でも電力供給の一翼を担っています。
今でこそ火力、原子力が電力供給のメインですが、
日本では、1960年代まで大半の電力を水力発電
によって賄っていました。
ただ、「水力発電」というと、巨大なダムを利用した
発電方法を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
実はこのような大規模な発電施設を
作らずとも、水力発電は可能なんです。
詳しくは後述しますが、自然な川の流れを利用したり、
さらに小規模な水路を活用したりする発電方法は
「中小水力発電」と呼ばれ、最近注目を集め始めています。
ということで、今回は特に小水力発電による
省エネ対策について、書いてみます。
水車を使ってそば粉を挽くなど、水力は、
日本では昔から利用されていました。
日本は、降水量が多く、かつ、地形が急峻なので、
水力利用には有利な環境にある国の1つです。
水力の魅力は、安定性ですね。
太陽光発電や風力発電は、お天気任せ、風任せですが、
水力発電は、渇水期などにより流量が減ることはあるものの、
比較的安定して流量を確保することができます。
また、寿命の長さも魅力の1つです。
わが国最初の事業用水力発電所は、琵琶湖疏水を利用した、
関西電力の蹴上発電所ですが、この発電所、明治23(1890)年
に竣工し、現在も4500KWを発電中と、とっても長寿命なのです!
蹴上発電所
さて、このような水力発電の中で、小水力発電
とはどういうものでしょう?
一般的に、水力発電は、出力により、
下表のように区分されますが、
厳密な定義はありません。
出力10,000kw~30,000kw以下を
「中小水力発電」と呼ぶことが多く、
また「新エネルギー利用等の促進に関する
特別措置法(新エネ法)」の対象のように
出力10,000kw以下の比較的小規模な
発電設備を総称して「小水力発電」と呼ぶこともあります。
出力で言っても、なかなかイメージしにくいと思いますので、
少し事例を挙げてみましょう。
まず、大規模なダムと言えば、黒部ダム。
黒部川第4発電所の発電出力は、
最大335,000kwです。
黒部ダムのサイト
関東地方の方にはなじみ深い、東京都の奥多摩湖。
この湖を作っている小河内ダムに設置されている
多摩川第一発電所の発電出力で、最大19,000kwです。
多摩川第一発電所のサイト
中水力と言っても、結構、大きいですね!
新エネルギー利用特別措置法施行後、
県営では全国初の農業用水路を利用した
富山県の仁右ヱ門用水発電所では、
発電出力が、最大460kw。
仁右ヱ門用水発電所のサイト
山梨県都留市の木製水車「元気くん1号」
の発電出力で、最大20kwです。
元気くんのサイト
では、このような発電出力で、どの程度の世帯
の電気を賄うことが可能でしょうか?
1世帯当たりの電力消費量は、1カ月あたり約300kwh程度、
単純計算すると、1時間当たり420w程度ですので、
1000kwの発電出力で、2380世帯分が賄える計算となります!
もちろん、実際には、常に一定の電気を使用している
わけではなく、突然のピークにも対応できるように
しなくてはならないのですが、
一つの目安にはなると思います。
工場での省エネ対策として、小水力発電を
使える場合はあるでしょうか?
もっとも利用が期待されるのが工場排水ですね。
冷却や洗浄等に利用した多量の水を
排水している工場であれば、
工場の排水口での小水力発電の
可能性があります。
特に排出する河川等との落差が大きいと可能性は高まります。
また、工場の空調設備の冷却循環水など、循環水の中で、
自由落下している水を利用して、小水力発電を
行うケースなどもあるようです。
このように工場内で発電した電気を使う、
あるいは売電することにより、省エネ対策と
コスト削減効果を得ることができる可能性があります。
では、具体的に小水力発電を検討する場合は、
どのようにすれば良いでしょう?
発電出力は、水量と高低差で決まります。
出力(kw)=
流量Q(㎥/s)×高低差(m)×9.8(重力加速度)×0.7(発電効率)
例えば、流量が50L/s、落差10mの場合は、
0.05㎥/s×10m×9.8×0.7=3.4kw
となります。
年間発電量は、出力と稼働率から算出します。
年間発電量(kwh/年)=
出力(kw)×8760時間(24時間×365日)×稼働率
稼働率は、設備利用状況によりますが、
概ね70~80%程度でしょうか。
年間発電量が算出できたら、
今度は発電収入見込みですね!
200kw未満の中小水力発電の買取価格は34円/kwhで、
買取期間は20年ですから、年間発電量×34円×20年で
20年間の発電収入見込みが算出できます。
なっとく!再生可能エネルギー
発電電収入見込みか20年間の維持管理の支出、
設備等建設費用を差し引けば、20年間の収支が
概算ですが、計算できます。
これ、実際に計算してみるとわかると思いますが、
小水力発電は建設・設備コストがかかるので、
短期間での黒字化は難しい場合が多いです。
しかし、最初にも、お話ししましたが、
水力発電は、とっても長寿命!
ちゃんとメンテナンスすれば100年以上、
発電することも可能です。
昔は水車小屋等で利用していた小水力、今は、
あまり使われていませんが、今後の電力事情などを考えると、
目の前にある自然エネルギーを「使い尽くす」という
姿勢が必要だと思います。
是非、みなさんも身近なところに、使い尽くしていない資源が
眠っていないか、探してみてください!
というわけで、小水力発電による省エネ対策、
いかがでしたか?
次回は、少し視点を変えて、
「食品工場と省エネ対策」について、
書いてみたいと思います。
それでは、次回もお楽しみに!
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